ファインマンの疑問
まず、次の記事をお読みください。
- 2025年10月14日 ローレンツ力は、ファラデーの 単極誘導 とは別もの
ファインマン は、「ファインマン物理学<3>電磁気学」の誘導の物理P213に次のような疑問を呈しました。
われわれは物理学のほかの所ではどこにも、このように単純で正確な一般法則がほんとうの理解のために二つのちがった現象による分析を必要とする場合を知らない。
下線は管理人による。
ファインマンは、誘導現象を二つの異なる分析(電磁誘導とローレンツ力)を必要とする場合を(他の場所ではどこにも)知らないとしました。これをわかりやすく図にしました。
図1 2種類の誘導現象
少し具体的に示します。電気を起こす方法は、静電誘導、摩擦電気など幾つかの方法があります。主な方法として電磁誘導とローレンツ力の2種類あります。
2つの誘導現象による起電力は、電圧計で測っても区別できません。つまり、電圧を合成することが出来ます。
例えば、電磁誘導のAC1.0ボルトに単極誘導のDC0.5ボルトを合成した場合を考えます。
- 交流の最高電圧は、実効値(公称電圧)に√2を掛けた電圧
- だからAC1.0ボルトの最高電圧は1.41ボルト、最低電圧は-1.41ボルト
AC1.0ボルトの最高電圧は1.41であり、これにDC0.5を加えると1.91ボルトになります。また、最低電圧は-1.41+0.5=-0.91ボルトになります。
このように起電力が2種類あって、しかも合成出来てまったく区別できません。テスターで測って得た電圧は、2種類の起電力がどれだけ含まれているのかを分別することは出来ません。 続きを読む
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