数学 者岡潔「数は量のかげ」 人形(量)がなければ影絵(数学)はできない

数学 者岡潔がよく取り上げたという言葉「数は量のかげ」に関する記事は、調べてみたら2016年7月9日の記事『数学者岡潔「数は量のかげ」・・・・本当は天地が逆だろう 他2題』から数えて16本ありました。 先日いただいたコメントにおいて管理人は、「物(量や嵩)から離れて 数学 のみ存在できるはずありません。」と返しました。このことについて改めて書きます。

インドネシアのジャワ島・バリ島に伝わる伝統芸能に影絵芝居「ワヤン・クリッ(Wayang Kulit)」というのがあるそうです。

写真1 出典:東南アジア影絵人形芝居探訪より

どうも影絵芝居の人形は牛の皮で作られているそうです。

話は簡単な比喩です。

影絵芝居(数学)は、人形(量や嵩)がなければできません。だから「物(量や嵩)から離れて数学のみ存在できるはずありません。」とお応えしました。 やはりここでも、人が感覚器官でわかる物理(量)は、「投影による映像」だろうとの示唆を得ます。

大事なのは人の頭脳も(量や嵩)であることです。認識するというがなくては意味を成さないことは明白です。人も量の内です。 人の脳内にある情報としての数式(概念?)も何らかの量の裏打ちがあります。それは生理的な電気信号だと考えられます。 紙に書かれた数式もランダムにインクが散らばった紙とは異なります。

岡潔が好んで使ったという「数は量のかげ」という言葉は、「新式算術講義」によれば、数学者高木貞治によるようです。リンク先の記事にある高瀬正仁の解説文の一部を引用します。

「数とは何か」という問いに厳密な様式で答えようとする試みを通じ,量の概念は急速に消失する方向に向かったが,形式論理上の厳密性はこれで確保されるとしても,見る者の心に「唐突の感」が起こるのは避けえないところである.数学は論理のみで構成されている学問ではないから,たとえ知的には申し分のない説明であっても,「情」がそれを拒絶することはありうるのである.現に,今日の大学の微積分の教育現場でも,「数」をはじめとする基礎的諸概念の取り扱いには困惑が見られ,おおむね省略される傾向にあるのではないかと思う.数の概念や極限や連続性などの厳密な説明は定着度が低く,数育効果にとぼしいというほどの理由がしばしば語られている.

当初の解析学は量に寄せる素朴な観念に支えられて歩みを運び始めたのであり,その足取りは,少くとも19世紀半ばのりーマンにまで及んでいる.そうであれば量の概念を完全に放棄するのではなく,高木がそうしたように「数」の概念の背景に「量]の概念を配置するのは,よいアイデアである. 

下線は管理人による。

数学を考えるにおいて、自己の存在を忘れての追求は何か空虚に感じます。 そういえば、数学バリバリの物理学者たちは、数学を用いることによってビッグバン理論や超ひも理論を打ち立てているにもかかわらず

図1 出典:ビッグバン宇宙論は本当に正しいのか?

どこか孤立系から抜け出ていないのは数学の本質(「分ける」ことにより分かる)にかかわることなのかも知れません。

ある科学者が述べた言葉に次のようなものがあります。

たとえば地球の科学者は電子が粒子で、波動性の二重性をもつものと定義せざるを得ない状態にある。彼らは電子は確率波をもつ粒子だということによってこれを正当化させようとしている。これは心で描くことのできない状態であり、そのため進歩の唯一の方法として抽象的な数学に頼らねばならなくなる。

下線は管理人による。  この一文の意味がようやく分かってきました。

表1

大きさのスケールを表す表の左端(人の感覚で分からない領域)では「量」の概念を放棄せざるを得ないのであって、研究を進めるに「心で描くこと」を諦めたということです。 ぶっちゃけて云えば『電子の「スピン」といっても何かがクルクル回っている訳ではない』というのですから、物理が面白くなくなるのです。 上記解説にある引用文でも『たとえ知的には申し分のない説明であっても,「情」がそれを拒絶することはありうるのである.』と述べています。「心で描けない」と同じ事です。 唯物は捨ててはいけないです。

 

何気なく表1を作ったのですが、岡潔の「自然科学者の時間空間」において時間に問題があるということの意味が理解できます。 時間と云うを伴わない「」を用いることによって表の両端を数式で表したということです。

写真1 出典:解説:NHKスペシャル「神の数式」第1回:この世は何からできているのか

 

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Φ について

2010年より研究しています。
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