うまく書けないかも知れないけれど、やってみます。
現在の物理学は、ベクトルポテンシャルが電磁気現象より基本的な物理量であるとされます。ファラデーが「電気緊張状態」と呼びマクスウェルが「電磁運動量」とした物理量が現在の「ゲージ場」であるとのことです。(残念ながら 「ゲージ場」が何たるか管理人には理解できないのですが。) 早い話、横波である電磁波の媒質{古典的な「エーテル」}が電気緊張状態や電磁運動量であったものが、数十年を経て、「ゲージ場」と呼ばれるようになったと理解しています。それがベクトルポテンシャルです。 (誤りかも知れませんけれど、そう理解しています。) ベクトルポテンシャルについて、井口氏のブログに「ディラックとスカラー波:ディラックの「量子力学」にまつわるお話」として述べられています。
氏のブログでは「エーテル=(空間そのもの)」とされますけれど、弧理論では
図1
エネルギー軸(E軸)上の実体が(積分を伴う回転投影)によって「質量と位置」が決まります。 1つ以上の物質が投影されることによって「空間」ができるのですから、それが「エーテル」ということになりますし、すべての物性はE軸上の実体からきていると解釈します。 これを管理人は
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動画1
万華鏡に例えます。
氏のブログにある「スカラー量」について、弧理論との関係を考えているのですが、よくわかりません。
図2
弧理論では、E軸上の実体が双極をなし、M軸に投影されると一方の極が無限遠に位置することになり
図3
左の様に、投影された電子(単極F)から見て、電場とともに何らかのスカラー量が存在するように考えられます。このスカラー量は図2の双極A-Cに相当する「無限長ソレノイド」と同じモノなのではないかというのがこれまでの考察から得た感じです。
氏のブログで気になるのは、ディラック理論の結論部分です。一部記事を引用します。
問題は、その帰結である。
そうやっていくと、縦波の電磁場成分(=テスラ波)も含めておくこと必要があり、もっとも数学的に自然に分析し ていくと、縦波の電磁場のもつ量子場と横波電磁場の持つ量子場の2つが残るが、どうあがいても、縦波電磁場のエネルギーは「負のエネルギー」になってしま う。とまあ、そういう結論になったわけである。
そこで、ヘビサイド流のマックスウェル理論に合わせるために、なんとかして量子場に制限(付帯条件)をつけることにして、横波成分だけの理論になるようにしたのである。これは結構うまくいった。そして、理論は一見完成したかに見えた。
と ころがどっこい、そうは問屋がおろさなかった。横波の電磁場だけで電子と電磁場の相互作用エネルギーを計算すると、無限大の自己エネルギーの問題という難 問題が出てしまったのである。この部分を書いたものが、冒頭の言葉である。そして、ディラックの研究は、ここで第一線から退き、表舞台、檜舞台から去る。
図3左から見て空間に存在するスカラー量あるいはベクトルポテンシャルから想定される縦波電磁場のエネルギーが「負のエネルギー」になるとともに、これを避ける制限(付帯条件)をつけることで、計算値に無限大の自己エネルギーが出るとのことです。
この量子理論での問題は、「幾つかの無限大・発散について」という記事に書いています。恐らく「運動/時間」の関係あるいは「エネルギー/時間」の関係が未決定であることからきているのではと推測します。
ただ、縦波電磁場のエネルギーが「負」になるのはどういうことかわかりません。数学的には虚数と関係するようにも思いますが。(E軸はM軸に直交する虚数で表す次元軸になると思われます。我々は絶対零度以下は想像できませんけれど、温度もまた、相対的な真のエネルギー値におけるある種の閾値であると考えています。)
以上、「ベクトルポテンシャル、スカラー量、無限長ソレノイド、電磁場」について、管理人がここ1年くらい時折考えていることです。 ここまで本題ではありません。
さて、上記のベクトルポテンシャルは、外村彰氏により実験でその存在が確かめられています。
電子波で見る電磁界分布 【 ベクトルポテンシャルを感じる電子波 】
論文が2000年12月ですから割と最近のことです。 外村氏の実験は、電子線(波)が磁石近傍を通過するときベクトルポテンシャルが電子波を曲げる現象をとらえたということです。 この実験を個人で行うことは不可能です。しかし、ベクトルポテンシャルと電子が「相互作用」する「物理現象」であることを示したものであるとするならば、管理人がこれまで、こだわりをもって実験で確かめてきた相互作用(力の作用と反作用)は成り立っていると解釈出来ます。
「相互作用」をwikiの「物理学」の項で見ると
物理学においては、二つまたはそれ以上の物質が互いに力を及ぼしあうという概念を相互作用と言い表す。
とあります。
図4
左の様に、物体(イ)を押せば{作用}、同じ強さで向きが反対{反作用}に押し返す力が(ア)に働きます。これが相互作用です。
ところが、図4右の様に、単極誘導モーターにおいては、軸対称の磁石近傍にある電子が印加された電圧に応じて、磁石から離れようとするとき電子には軸に直角に力(赤い矢印)が働き、その反作用は電極であったり、電解質あるいは水銀に働きます。 このとき磁石は力学的に孤立しています。
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動画2
や
動画3 (水銀に浮くネオジム磁石は、水銀の渦に乗って同方向に回る。)
などの実験に見られるように、単極誘導モーターに生じる力は、電極と水銀の間に生じています。生じる力は磁石と力学的に無関係です。 これは物理学で言う「相互作用」の定義に当たらないと考えます。
この、磁石が近傍にある運動する電子に力を生じさせる能力を磁場あるいは磁力線が原因と考えるにはムリがあります。 最近では、管理人は、この能力を「相互作用」と表現するに抵抗を感じます。
で、問題は、冒頭に述べたベクトルポテンシャルです。単極誘導の現象に見られる磁石が持つ「ある種の遠隔的な能力」とベクトルポテンシャルの関係です。 (ゲージ場が理解できてないのに考えることに意味があるのか疑問ですけれど。)
磁石が持つ磁力の主な原因は構成する原子にある軌道電子の配列によります。 ベクトルポテンシャルと近傍を通過する電子の相互作用は、磁石を構成する軌道電子との相互作用だと考えるならば、ベクトルポテンシャルと近傍を通過する電子の間に働く力の相互作用は、文字通り磁石と電子の間に働いていると考えてよいと思えます。(実験で確かめられないので仕方ありません。)
写真1
つまり、近傍を通過する電子は磁石との間に力が生じて軌跡(波)が曲げられたということです。これは「相互作用」であり、近傍を通過する電子と磁石を構成する原子の軌道電子との作用だということです。
一方で、単極誘導モーターに生じる力は、弧理論によれば、「磁石を構成する原子核と近傍を移動する電子の作用」であって、この作用は、電極と電解質(中の電子)あるいは電極と水銀(中の電子)の間に力を生じさせる能力であるということになります。 そして、磁石を構成する原子は近傍を移動する電子と電極間に生じる相互作用と力学的には関係が無いということです。これが弧理論による単極誘導現象の仮説です。
そして、管理人は、この仮説による力を起こす能力は、ベクトルポテンシャルとは関係しない作用だと結論づけます。 何故なら外村氏の実験は(電子と電子の相互作用) であると考えられるのに対して、単極誘導モーターの実験は(磁石の原子核と電子の作用) であると考えられるからです。
また、単極誘導モーターの性質は単極誘導(起電流)の現象にも同じだということです。単極誘導の定義は
図5
において、
(1)磁石を磁石を固定して円盤を回転すると誘導電流が流れる。
(2)円盤を固定して磁石を回転すると誘導電流は流れない。
(3)磁石と円盤を一緒に回転すると誘導電流が流れる。
というものでした。(3)が不思議な現象だとしていろいろ取り上げられてきましたけれど、管理人による一連の実験の結果、(3)が不思議なのではなく、元々磁石の磁場、磁力線、磁束線はこの現象に関係がないのです。 もっといえば、磁石は超巨大な単原子であると考えるならば、磁石(原子核)が回転しているか、静止しているかは観測者からは判別できないのが本当だということです。
磁石が持つこの遠隔的な能力は、磁場でもベクトルポテンシャルでもないというのが管理人の結論です。
余談です。実際の所、ベクトルポテンシャルを気にしながら実験を進めてきてちょっとしんどかったです。 トム・ベアデンはスカラー波(縦波)あるいはテスラ波がより本質的だと理解している様ですけれど、宇宙の大規模構造と物質の間に働く斥力が根源的なエネルギー源だという弧理論の考え方からすると縦波が存在するとしても、本質的に重要なことではないように感じます。
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