熱電対( ペルチェ素子 )のゼーベック効果にかかるローレンツ力の影響について

先般より準備を進めていた ペルチェ素子 を用いた単極誘導モーターに関する実験に際し、先にゼーベック効果についてローレンツ力が影響を与えるかどうかを確かめようと考えました。

実験の結果、影響は認められませんでした。「物体の運動熱の伝搬は何がどう異なるのか」という疑問が最初にありました。

(1) 2個の銅ブロックでペルチェ素子を挟んで、一方のブロックに熱源(ハンダゴテ30Wのセラミックヒーター)を置きます。

写真1 右側はアルニコ磁石Φ20ミリ長さ150ミリ

ペルチェ素子 の起電流をガルバノメーターで測ります。2個の銅ブロックには円筒形の磁石をおけるように加工しています。

写真2 熱源のヒーターはアルミテープにて一方の銅ブロックに貼り付けてある

写真3 アルニコ磁石を接しないように2個の銅ブロックの窪みに置く

ヒーターはDC15Vで0.04A流しました。アルニコ磁石を置かないときと、置いたときでは起電流に差が生じるかを確かめました。結果、アルニコ磁石の有無及び、置いた磁極の方向による起電流の差は認められませんでした。 (ガルバノメーターの針が十分安定してから試しています。)

確認時の様子が以下です。

写真4

なお、写真のようにアルニコ磁石とガルバノメーターが近いとガルバノメーターは磁石の磁束の影響を受けます。 実験において2個の銅ブロックの温度差は、放射型温度計での計測によれば、2~3度くらいでした。

素子の構造や実験方法にいろいろ問題があることは確かです。やはり起電流を定性かつ定量で計測するのは難しい様です。


ついでながら、セラミックヒーターをAC電源からスライダックを通して加熱し、ソーラーモーターを回してみました。これもペルチェ素子の出力は、磁石の有無と極性に関係の有無を認めませんでした。

GIF1

GIF2


次は、単極誘導モーターとして機能するかを確かめようと思います。そもそもこのような実験について、管理人の思い違いなのでしょうか。いけそうな気がするのですけど。

ここ何年にもわたる「1.物が接するとはどういうことか」という疑問にくわえて「2.物体の運動と熱の伝搬はどう違うのか」という疑問が加わりました。 2.の疑問に直接は関連しませんが、興味ある話がありますので別に記そうと思います。

 

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Φ について

2010年より研究しています。
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