還元主義 を疑うこととなった切っ掛け

還元主義 とは、『「わけることによりわかる」と思っている』ということです。何故なら、「わかる」と言う語の語源は「わける」ですから、要素にわけることにより、その本質がわかるはずと思っているということです。 2015年頃に岡潔の講演録【4】情のメカニズムを読んだことにより『「わかる」というのは、物の理ことわりとか理解じゃない』と知りました。 難しいけれども、岡潔は『「わけることによりわかる」と思っている』のは、間違いだと指摘したと云うことです。

コンピュータは進化することで人工知能を実装して今や(一部)人の能力を凌駕し始めました。しかし、管理人は、還元主義に疑問を持つ切っ掛けとなった出来事が岡潔の講演録を読むはるか昔にあることを思い出しました。

学生の頃、授業で情報理論と数値計算法を学びました。社会人として就職してからだったか、ある月刊の科学雑誌に郵便番号読み取り機の構造に関する記事がありました。

郵便番号自動読取区分機(東京中央郵便局) 4-2写真1 出典:郵便番号自動読取区分機(東京中央郵便局) 4-2

名称は郵便区分機というようです。確か、読み取りにはパターン認識が使われているという記事です。その頃はまだ郵便番号は5桁だった記憶があります。パターン認識により郵便番号別に仕分けるという装置です。

記事におけるパターン認識についての内容はだいたい次のようでした。 カメラで郵便物の表面を走査します。取り込んだデータから郵便番号が書かれているだろう赤枠付近のテータを抽出します。

図1

データのコントラストを強め、エッジを検出します。これで、書かれた文字にかかる形状を判定できます。例えば数字のゼロならば、ループ(閉じた線分)が1個あります。6ならば端点を1個持つ線分とループ1個があり、線分とループは接していて分岐(三叉路)が1箇所あるはずです。9でも同じですけれど、上下逆さまですから、線分の端点がループより下になるはずです。 説明はややこしいですが、記事の記憶を元にネットを探すと近い図がありました。

図2 出典:神経回路モデル「ネオコグニトロン」

読み取りの手法にこのパターン認識が使われるという記事でした。現在使われている郵便番号読み取り機はどのように処理しているのかわかりません。現在は、手書きの住所も読み取っているとのことです。

上記のことをコンピュータで処理するわけですが、コンピュータはほぼプログラム内蔵方式を用いているので、並列に行うことはできません。処理は逐次行われます。それは例えば次図のようにフローチャートで示されます。

図3 出典:プログラムの論理構造

菱形で示された評価式は、条件を判断する部分です。プログラムの流れを制御する判断は、単に式を評価しているに過ぎません。この判断と処理を積み重ねた結果を「読み取り」であったり「認識」と呼んでいるのです。実のところ、コンピュータは、処理と評価をしているだけで判断も読み取りも認識もしていません。当時はわからなかったのですが、とても疑問でした。

 

では、人は何を読み取り、認識しているのかということです。冒頭、岡潔の言葉に接する前から、「人の脳は中継点に過ぎないプラグの役目をしている」と考えていました。その点を突く文章が以下です。「The manuscript of survival – part 68日本語文 5 January 2012」より引用します。

ダークマターこそが、尽きることなく利用されているエネルギーの唯一の源だからです。それは根源的な永久機関であり、もし、悪の手に渡ったら、いえ悪の脳と言うべきですが、文字通りあらゆる面で大混乱を起こすでしょう。これは、脳によって理解されるものではないのです。何故なら、脳には大きな制約があるからです。人間は脳を、文明を進化させる崇高な考えを生み出す知識の座と考える傾向がありますが、まったく違います。脳は単に、人間を最低のレベルで機能させるための装置に過ぎないのです。

人工知能の研究は古いです。パターン認識以後も研究は続けられて人工知能に行き着いています。しかし、人工知能は、知能と呼べるのか疑問に思っています。何故なら、「わけることによりわかる」という対象、即ちブラックボックスは、人工知能のニューラルネットワークの要素(ニューロン)と何ら変わらないからです。

図4 要素はわけてもブラックボックスのまま

図5

ニューロンもまた状態を変化させるブラックボックスです。言い換えると要素 還元主義 で人工知能が実現できるということです。人の脳を研究(わけて模して)人工知能ができるということは、人の脳とコンピュータは本質的に同じだと云えるだろうということです。 人工知能と人の脳との違いは岡潔が云った「情の働きにより何となくその趣おもむきがわかる」という部分だけです。

人が数字や文字が「わかる」というのは、パターン認識でも読み取りでもありません。脳は五感からの入力を処理はしても認識も読み取りもしていない、けれども「わかっている」のです。岡潔が「自然数の1は決してわからない」と云ったことにつながりそうです。物や事に偏りがあり、偏りを文字や数字と処理はできても「わかる」のは別(情)の働きです。

ただ疑問は残ります。人の脳は人工知能と異なり、欲しいしいのシヰによる能動性があります。これがどこからくるのか、脳の仕組みや機能からはでてきません。人工知能にはシヰがありません。【1】2つの心より。

人には、ここから何時も言わなきゃ仕方ない、心が2つある。心理学が対象としている心を第1の心ということにしますと、この心は前頭葉に宿っている。それから、この心はわたくしというものを入れなければ金輪際動かん心です。その代り、一旦、私というものを入れたら、「私は悲しい、私は嬉しい、私は愛する、私は憎む、私は意欲する」と、丸で笑いカワセミのようにうるさい。

「笑いカワセミのようにうるさい」のがシヰによるものです。

 

還元主義の最大の欠点は、「わけること」によって最初に自身を含めないから、自身のことがわからないことだと考えます。

  1. 自と他をわける
  2. 他を他1と他2にわける
  3. 他をさらにわける
  4. 自とは何かはわからない

最初に自に向かわねば何もわからないまま。でも自をわけてわかるのは骨格や筋肉、神経組織、感覚器官でしかありません。

 

追記7/19 岡潔は、心のありかと仕組み並びにその働きを詳しく調べました。そして、心の中心(宿るところ)を前頭葉・側頭葉・頭頂葉、あるいは後頭葉として話しを進めました。 一方で、「人の脳を模して人工知能を実現したが、人工知能にシヰ(岡潔の云った第1の心)はない」ならば、「模された側の人の脳にもまたシヰの中心はない」との結論になります。つまりは、第1の心(シヰあるいは「わかる※1」)と第2の心(情の働きによる「わかる※2」)のいずれも、人の脳の何処にも中心はない(宿るところがない)ということになります。

実は、先般より用いている「心の仕組みと働き」の図において、M軸上(物質的自然)にシヰは含んでいません。

図6

上記のことを鑑みるに図6に於いて、タマ+シヰをE軸上に置いたのは正解のようです。第1の心及び第2の心という心の仕組みと働きは、脳の組織上(前頭葉・側頭葉・頭頂葉、あるいは後頭葉)にはないということです。M軸上にあるのは、物質である処理系(脳)だけです。これならば、The manuscript of survivalの引用部「脳は単に、人間を最低のレベルで機能させるための装置に過ぎない」に合致します。

図6に至るに岡潔の言葉とともに、ホツマ辞典(展望社池田満著)p226にあるヰクラムワタヲの構成表と次の動画を参考にしています。2:40~です。 それに本居宣長の「もののあはれ」もです。

動画1

心の仕組みと働きも、物質的自然の成り立ちもすべて「別の次元軸からの投影による映像」だと考えるのが妥当のようです。それ以外に思いつきません。

霊長類研究者は、実験対象である猿に名前を付けて、あまり人と区別していないように見受けられます。研究を続けると人と猿との障壁は低くなるようです。 岡潔は人の特性である心の仕組みと働きを脳の組織上(前頭葉・側頭葉・頭頂葉、あるいは後頭葉)にあるとして考察を続けました。これでは心の宿る未知の物質で脳が構成されていることになります。 人は死すればほぼ火葬されます。火葬後に残る頭蓋骨付近の灰あるいは火葬の際に出るガスに心を宿す未知の物質がある事になってしまいます。これは納得できません。霊長類研究者が猿と人との障壁が低くなるように、弧理論を研究していると次第に人と物質とのハードルが低くなってきます。これは管理人の受け入れ難い障壁です。ここ最近の大きな問題です。

別の次元軸(E軸)は、運動する物質に直交すると仮定しています。次の通り、4次元は4つの3次元空間に分解できます。

図7

任意の運動する物質にかかる別の次元軸の方向を特定することはできません。しかし、xy平面内で回転運動する場合のみ、z軸に別の次元軸は重なります。

仮に、人の身体を構成する物質に身体の鉛直方向に直交するxy平面内で回転運動があり、それがある程度揃ったならば、脳付近に別の次元軸との接点が見いだせるのではないかと考えます。

図8

これは、別の生物どころか、金属、あるいは気体・液体はたまた汚物でさえ同じだということになります。これはなかなかに受け入れ難い考えです。弧理論では、運動の一形態が”波”です。この”波”は、発散トーラスの性質であり、その原因はE軸上の実体が描く弧(Ark)です。すべての物質は、この”波”をやりとりする仕組みと働きをもっていることになります。本当に受け入れ難い考えです。人と物質との間にある障壁は、その人の心のあり方そのもののような気がします。

この”波”は位置を持ちません。発散トーラスは基本双極ですが、一方の極が無限遠に消失していて位置がありません。質量は観測できないが単極のように振る舞います。この発散部分がE軸との接点になります。その発散トーラスを正負で組み合わせたのが楕円磁場です。楕円磁場が陽子と中性子、中性子と電子の間にできます。これが回転方向による4つの核力(右右なら強、右左なら弱、左右なら弱、左左なら強)を生じるようです。核力は強弱2種あるが、4つの核力をまとめたものと考えられます。水素だけは別途考える必要があります。今までのところ楕円磁場のモデルを説明していませんので、意味はお分かりいただけないと思います。

 

追記7/20 図6のM軸上に「わけることによりわかる」や「理解」、ならびに「ヨソヤコヱ」を配置しました。脳には、情報として「ヨソヤコヱ」を処理する働きがあるからです。

図7 出典:言語中枢

しかし、M軸上に(言語など五感に関する)処理系はあるけれど、「シヰによるわたくし」や「情の働きによるわかる※2」のいずれもM軸上にはなくて、E軸上にあるだろうという結論になります。

ちょっとわかりにくいですけれど、脳と人工知能には処理系はあるけれども、脳にだけ「シヰと情の働きがある」ということになります。人工知能にはありません。 それが、図8に説明したようにZ軸に重なるE軸の一端に(宿る、あるいは位置する)だろうということです。やはり脳はコネクタあるいはコンセントの役割があるように感じます。

すると受け入れ難い結論にいたります。如何なる物質も組成を工夫すれば、「シヰによる私わたくし」や「情の働きによるわかる※2」を構成することが可能になるかもということです。これは生命そのものです。ただし、E軸上の実体にまで遡って制御できるという条件を満たせばということです。

 

Φ について

2010年より研究しています。
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