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「第3起電力」のエネルギー源について
(弧電磁気論から見たエネルギー源の考察)

要旨

 フリーエネルギー装置のエネルギー源は、ゼロ点エネルギー(ZPE)やスカラー波にあるとされているけれど、ゼロ点エネルギーからエネルギーを取り出せないそうにはないし、スカラー波がどのような意味を持つものかもよく分からない。しかしながら、超効率の装置は、現実に存在する。

 そのような装置の一つである、クリーンエネルギー研究所の井出治氏が開発された「超効率インバーター(デゴイチ)」のエネルギーの源は、どこにあるのか。 どのような仕組みで、超効率が実現しているのかについて、井出治氏の「第3起電力」仮説を、弧電磁気論の観点から考察した。

 考察の結果、超効率インバーター(デゴイチ)は、例えて言えば、『内部にエネルギー発生装置を持たない帆船のように、「作用と反作用」の関係が成立していない電磁気現象』であるらしいことが分かった。


1 まえがき

 クリーンエネルギー研究所の井出治所長が開発した「超効率インバーター(デゴイチ)」[1]は、機械的可動部分を持たないトランス[2]であり、その磁気回路と印可するスパイク波などの特徴から、調相結合トランス(テスラ・コイルや冷陰極線管用インバータ)[3]と同種のトランスと考えられるが、特徴的なのは、意図的に「調相結合」の「調相」を崩しているように見られる反発磁場を用いていることである。この点において、このトランスは、冷陰極線管用インバータより、テスラ・コイルに近いものと考えられる。そして、このトランスの反発磁場モードにおける効率は、300%~400%になるという。

 井出治氏は、超効率の原理として、「第3起電力」仮説を提唱されている。「第3起電力」とは、ファラデーの法則によって誘起される“逆起電力”の方向とは、“逆方向の起電力:正の起電力”が誘起されるという仮説である。

 この“正の起電力”である第3起電力が、なぜ超効率を実現するのか。「超効率インバーター(デゴイチ)」の内部に、どのように電気磁気のエネルギーが生じるのかについては不明である。

 そこで、本論では、拙著「弧電磁気論」並びに部分改訂版「6.電気磁気の配列」から見た第3起電力のエネルギー源について考察する。

 なお、拙著はいずれも、その性格上(仮説による概論)であることから、本考察との整合がとれない部分があることを、予めご了承願いたい。また、本考察は、主に幾何学図形を用いて行う。


2 マクスウェル原方程式

 電気磁気現象は、マクスウェルの4つの方程式で表されているが、現在のベクトル記法による4つの方程式にまとめたのは、イギリスの電気技師・物理学者・数学者であったオリヴァー・ヘヴィサイドである。マクスウェルの論文は、20もの方程式で表されていて、ヘヴィサイドが4つの方程式にまとめる際に、幾らかの要素を切り捨てた。そこで、本考察においては、マクスウェルの原論文を出発点とするけれど、マクスウェルの原論文を現在のベクトル記法と対比した資料[4]を起点とする。

 マクスウェルの4つの方程式で表される電磁波[5]の概略を図1に示す。

ファラデーの法則とアンペールの法則

 図1において、ファラデーの法則での、「磁束密度の時間変化」を、ここでは単に「磁場あるいは磁気」と呼び、アンペールの法則での「電流密度と電気変位の時間変化」を「電場あるいは電気」と呼ぶことにする。

 電荷を帯びた粒子は、単極であるから、「電気」を「電気単極」あるいは「単極」と呼ぶ。また、「磁場あるいは磁気」は、閉じて「N極・S極」2つの極を持つことから、「磁場・磁気」を「磁気双極」あるいは「双極」と呼ぶ。

 図1の電場と磁場は互いに直交しており、2つの図を組み合わせると、3次元空間において、相補的な関係にあることがわかる。(図2) そして、電場と磁場は、交互に生じることで、電場と磁場に直交する方向へ伝わる。これが電磁波である。 電場は、電磁波の進行方向に対して変化しない「横波」である。[6]

直交する電場と磁場

 1864年のマクスウェル原方程式にあって、オリヴァー・ヘヴィサイドによって、取り去られた要素は「ベクトルポテンシャルA:磁気ポテンシャル」と「静電ポテンシャルΨ(プサイ)」である。[4] 

 2000年の頃、「ベクトルポテンシャルA」のみによる「アハラノフ・ボーム効果」の実験による検証が行われた。[7] 一方、「静電ポテンシャルΨ」は確かなものではないらしいけれど、「ベクトルポテンシャルA」と「静電ポテンシャルΨ(プサイ)」によるスカラー電磁波方程式が導出されており、解説されている。[8]

 この資料[8]で、「静電ポテンシャルΨ(プサイ)」は、「スカラーポテンシャルΦ」とされている。 本考察では、「電場または電気(単極)」、「磁場または磁気(双極)」と実験により検証された「ベクトルポテンシャルA」、それから、「スカラーポテンシャルΦ」の4つが3次元物理空間に存在するものとして進める。

 量子電磁力学という電磁気学に量子力学を取り入れた分野では、電場や磁場を直接扱うことはせずベクトルポテンシャルAとスカラーポテンシャルΦを基に議論している。

しかし、電気磁気の現象は、元をただせば、電荷を持った粒子の運動からきている。この考察では、電気単極(自由電子)の運動により生じる電気磁気現象として取り扱う。

 電気磁気の現象を図1や図2で示した3次元の形状のまま取り扱うには、余りにも複雑であることから、「電場・磁場」の持つ視覚的形状である「単極:荷電粒子」(図3)あるいは、単極の運動によってできる「双極(ソレノイド)」(図4)という、我々のイメージしやすい1次元の形状モデルを基本とする。また、スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルは、仮説の機構の中に組み込まれる。

単極の締めー時とモデル


 静止している電気単極(電荷を持つ粒子:本考察では、自由電子をいう。)には、電気力線という仮想的な線がある。同時に、電荷(q)の周囲にはスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルが重畳する、とする単極のイメージである。電場をE、スカラーポテンシャルをΦ、ベクトルポテンシャルをAとすると電場Eは、

   E=-gradΦ-∂A/∂t

である。上式は、ベクトルポテンシャルAの時間変化とスカラーポテンシャルΦの勾配の和が電場Eに等しいことを示している。

図3右の丸印は、電気単極のイメージを1次元のモデルにしたものである。

双極のイメージとモデル

 図4左は、電気単極(電荷を持つ粒子)が円運動することによってできる磁気双極のイメージである。図では、電荷の運動方向に合わせて磁力線を描いてあるので、一般的な磁気双極のイメージとは力線の方向が逆である。図1左のファラデーの法則と比較して磁気双極をイメージできる。そして、周囲にスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルが重畳している。(量子力学では、ポテンシャルが基本的な物理量であるとされている。)また、電子等の電気単極が自転するとループ電流が流れ、磁気双極が生じる様子も表す。

この図4右の「太い横線」は、この磁気双極の一部を示し、イメージを1次元のモデルにしたものである。本考察では、電気・磁気の解析に、図1や図2に代えて単極(図3右)と双極(図4中)、あるいは磁場のベクトル(ループの方向)を用いて説明する。 (注:単極の運動方向に対して左向きの渦をベクトルとして表す。)

 電気や磁気の作り出す位相と方向が重要なので、図1・図2やスカラーポテンシャル・ベクトルポテンシャルを用いるよりも、単極・双極あるいはベクトルのモデルを用いる方が容易に理解できると考えられるからである。


3 コイル・ジャンプテストと4次元複素数空間

 井出治氏の研究の原点の一つである、EMAモーターについて記す。

1960~70年代、米国ロサンゼルスにあったイブグレイ社が開発したEMAモーター[9]の原理を簡単に示す実験として、コイル・ジャンプテストと呼ばれるものがあった。

 開発者のE・V・グレイによれば、コイル・ジャンプテストのシステムには、エネルギー再生機能があり、電源のバッテリーは、実験を繰り返しても放電しないという。[10]

コイル・ジャンプテスト

写真 R・B・ハッケンバーガー氏による

コイル・ジャンプテストの様子[11]

 コイル・ジャンプテストの特徴として、「コイル・ジャンプテストの際、反発する一対のコイルの鉄心に太い端子があり、そこから電線が直接バッテリーの電極に接続されている。 磁極を接地する必要は考えられず、あたかも磁場から電気が湧き出すかのような構造である。」と述べられている。[10](下線は筆者による。)

 そして、この際、再生されるエネルギーは、「冷たい電流」といわれ、また、感電しないようだ。[11] そして、このエネルギーは「プラスでもマイナスでもない電流」[12]であった、とされている。

スタティックジェネレーター

写真 イブグレイ社が開発したスタティック・ジェネレーター

(井出治氏が1974年10月ロサンゼルスのホテルでハッケンバーガー氏より見せられた装置と同型と思われるスタティック・ジェネレーター)[11][13]

 電場と磁場は、直交する形状で現れるのであった。(図2) 仮に「電場と磁場が単一の実体」であり、その位相がπ/2ずれる形で出現することによって、「電場と磁場」になると考えることはできないだろうか。 3次元物理空間の「電気と磁気」の実体は、3次元空間に直交する「余分の次元軸」上にあって、結果として3次元断面に図2の「電場と磁場」として出現すると考えるのである。[14]p10

 4つめの次元軸上に「電気と磁気の実体」が存在すると考えて、3次元物理空間に「電場と磁場」として現れる。つまり、「高次空間に存在する電気磁気の実体」は、「電場にも磁場にも直交する」のであるから、3次元物理空間では、図2の電気と磁気の両方に直交する「第3の輪」と等価であろう。(図5)

 4つめの次元軸である高次の空間に存在する電気磁気の実体は、3次元空間に「第3の輪」として現れる。そして「第3の輪」は、第1の輪である電場に直交し、第2の輪である磁場にも直交する。 いま、太い実線で示した第3の輪の一カ所を「ア点」とすると、第1の輪の「イ点」に移動することによって、第1の輪に平行に重ねることが出来る。 また、第3の輪の「ア点」を第2の輪の「ウ点」に移動することによって、第2の輪に平行に重ねることが出来る。 結局、3次元物理空間に直交する、4つめの高次空間に「電気磁気の実体」が存在すると仮定することにより、この実体が、電場あるいは磁場として現れうると考えられる。

第3の輪

 コーシー・リーマンの関係式[15]は、複素関数が正則である条件を実部と虚部が満たすべき条件として表現できる。ある複素関数が正則かどうかを判定するのに使える。コーシー・リーマンの関係式を微分してラプラス方程式を導出する。[16]そして、ラプラス方程式を物理現象に適用するとベクトル場のポテンシャルを記述できる。[17] 本論では、具体的にはベクトルポテンシャルAである。ベクトルポテンシャルAの空間分布に“渦”があると磁場[7]が生じる。 もともと複素関数の正則性、つまり、ある領域内の任意の点で微分可能であることを条件に導いたベクトルポテンシャルには、コーシー・リーマンの関係式における条件を内包しているのではないだろうか。

 言い換えると、今対象としている電気磁気現象の本質に、複素関数が関与しているのではないかということである。(単に数学技法の一端に過ぎないと誰しも考えるだろうけれど、ラプラス方程式が多くの物理現象に適用できることに、複素数が関与する背景があると感じてのことである。)

 「電気と磁気」の本質・実体が3次元空間に直交する「高次の次元軸上」にあると仮定するなら、この次元軸を「複素数」におけば、「高次の位相空間上での回転」として扱えることになる。

 この考えのもと、4つめの次元軸として複素数次元軸を導入する手法を用いて、図3と図4を表現し、「電気と磁気の位相の変化」を解析すれば、井出治氏の「超効率インバーター(デゴイチ)」並びにジャンプ・コイルテストの本質に迫れるはずである。

複素数と複素数平面

 図6は、複素数平面において、点(a,b)を極座標で表すと、原点oでの回転として扱えることを示す。

 3次元物理空間にある荷電粒子(電子等)の運動により、高次の複素数空間に存在する「電気磁気の実体」が、何らかの回転変換を伴う投影を受けて、「電場」や「磁場」の変化として3次元物理空間に現れると考える。 いわば、物質である荷電粒子(自由電子)や(電場・磁場)あるいは、「ベクトルポテンシャルA」及び「スカラーポテンシャルΦ」は、高次に存在する「電気磁気の実体」からの投影された写像とでもいえる存在なのではないか。そして、「高次複素数空間での回転変換の条件」によっては、電子を加速する方向に「第3起電力」が生じるのではないだろうか。あるいは、条件によっては、ジャンプ・コイルテストで示されるような磁気の方向(コイルの鉄心)に電気が湧き出すような流れが生じるのではないだろうか。

 それでは、その仕組みはどのようなものであろう。図3と図4のモデルを用いて、検討する。


4 エネルギーの相対性からの推測(複素数空間での取り扱い)

 電気磁気現象とエネルギーの関係について、物理学でどのように理解されているのだろうか。

 資料[7]「電子波で見る電磁界分布」では、電磁気のエネルギーについて、次のように述べている。

 『マクスウェルは、1856年、ベクトルポテンシャルAこそが電気的緊張度を表す量であると考え、電気的緊張度の理論を作る。

      B=rotA (1)  E=-∂A/∂t  (2)

 この二つの式は、EとBがAを通して互いに関連していることを示している。すなわち、Aの空間分布にRotation、つまり渦があるとBが生じ、Aが時間的に変化するとEが生じるというわけである。

 マクスウェルは、Aを物理量と考えた。式(2)によれば、Aの時間変化は、単位電荷を持つ粒子に働く力に等しい。これは、“運動量の時間変化”が力であることを示すニュートンの運動方程式を思い起こさせ、Aが運動量と同じ役割をすることを示している。』

 電磁気現象は、ベクトルポテンシャルに注目するなら、ニュートンの運動方程式とよく似ているという。

 また、資料[17]「エネルギーと運動量」では、電磁気学的現象に、運動量の保存則が成り立っているかどうかを理論的に説明している。その結果、電磁波が持つ運動量とエネルギーの間に“ある関係”(保存則)を導けることを示した上で、相対論の「光の粒が持つ運動量とエネルギー」に置き換えられるとしている。

これは、古典電磁気学から量子論・相対論への接続点について述べていて、かつての物理学者がたどった状況を説明している。

 更に、資料[18]「ベクトルポテンシャルとは何ぞや?{その1}」においては、次のように説明している。

 『電荷の周りのスカラーポテンシャルが動くとベクトルポテンシャルが発生する』として理解できることを示している。そして、『ベクトルポテンシャルの変換は相対論における空間と時間の変換、つまりローレンツ変換

  x=γ(x-βt)    t=γ(t-βx)

と同じ式になっている(ちなみにγ=1/sqrt(1-β^2)、βは速度。ただし光速度c=1の単位を使っている)。すなわち、

  A=γ(A-βΦ)    Φ=γ(Φ-βA)

である。

 電磁気学というのは相対論にのっとった作りになっている。正確に言うと電磁気にのっとった理論を考えたら相対論になった。だから、電磁気の法則は相対論的である』と述べている。(下線は筆者による。)

 資料[19](電磁気)では、『電場と磁場は、同じものの別の側面である。ローレンツ変換でそれらは互いに変換されることを意味している。』と述べている。これは資料[18]を直接に述べたものである。

 以上、歴史的に見て、古典力学が成立し、古典電磁気学ができて後、「物体の運動」と「電磁気現象の運動」とを考慮して、相対論にたどり着いた訳であるけれど、アインシュタインは、この相対論において電気磁気現象の3次元物理空間での運動を考えた場合に、「空間と時間の変換」と考えた。 つまり、ニュートン力学的な意味での力ではなく、時空連続体の歪みとして説明したのである。

 ところで、筆者は、弧電磁気論で物体の持つ運動エネルギーは相対的なものであるし、([14]p8~)エネルギーの本質は、相対的なものであると述べた。そして、文中「3.ローレンツ変換からの着想」において、「エネルギーの相対性が、光速度に位置する電気磁気の実体に回転変換を伴って、適用される」と結論付けたのであった。

 しかし、電気磁気現象は、「空間と時間の変換」ではなく、「高次の複素数空間」にあり、電気磁気現象の力学的本質を「高次複素数空間にある電気磁気の実体」の「回転を伴う変換、あるいは投影」ではないかと考えた訳である。弧電磁気論の出発点は、「ローレンツ変換からの着想」であったけれど、到着点は、ローレンツ変換と関係がなかった。

また、このとき、「高次の複素数空間」を考える時には、エネルギーの相対性を組み込む必要があることに注意が必要である。 そこで、4つめの「複素数次元軸をエネルギー軸と置く」ことにする。

 電気(物質である単極)と磁気(双極)の位相を考えるために、図3と図4のモデルを用いた2次元平面を考える。 今、縦軸を「高次の複素数空間(エネルギー軸:E軸)」とし、横軸を「質量軸:M軸)」と呼ぶ。

E軸上にある電気磁気の実体Sは、点(a,b)で示される。 M軸上の位置aにある物体(単極)が持つエネルギーをbとすると

i

となる。 ここで、S、a、bは実数、iは虚数単位である。また、aは3次元物理空間での位置(x,,z)である。(図7)

 実体Sについての数理理論は、いずれ必要であるけれど、実体の位相が重要な意味を持つことから、幾何学的な考察を行う。

複素数平面上のエネルギーを示すモデル

 ここで、実体SのE軸上でのエネルギー値bは、直接に測定することが出来ない。

我々が測定できるのは、物体である荷電粒子(単極)が、M軸上で持つ運動エネルギーや電気・磁気エネルギーである。 これらの測定できるエネルギーは、E軸上にある実体どうしの相互作用の結果、「実体が持つ座標bの変化」がM軸に投影された結果であると考える。

はたして、「複素数空間上に物理現象の実体が存在する」と考えることについて、これを本当に“物理現象”といえるのかは、疑問であろう。 しかしながら、これまで、物理現象を理解するに、様々な場面でラプラスの方程式が有効に使えたのは、3次元物理空間の性質に、「複素関数的な要素」が潜んでいたが故にであったのではないだろうか。

 注)複素数空間で物質とエネルギーについて考えるけれど、図7のモデルが物理数学的な表記として、正しいかどうか、別途工夫が必要かも知れない。(後述するが、回転の中心を、必要に応じて変更する。)

図7において、我々はこれまで「a(xyz)+時間」を対象としてきた訳で、その範囲においては、エネルギー保存則が成り立つし、接するM軸に対して電気と磁気を回転により変換することが出来る。また、ある物体に含まれると思われるエネルギーは、原点oを中心に回転することで、E軸上の実体のエネルギー(b)が変化した分、M軸上に現れるエネルギーの変化として現れる。

例えば、仮に周囲に何も存在しない宇宙空間で、高次に存在する実体(ア)と(イ)が相互作用した結果、M軸上の物体(ア)と(イ)が運動エネルギーを持つとしたならば、生じた運動エネルギーは、物体(ア)が持つのか物体(イ)が持つのかは問わない。つまり、物体の運動の相対性は、実体の相互作用の結果であると考える。 高次の複素数空間での相互作用こそが物体の全ての原因と考えるのである。(図8)

E軸上の実体による相互作用

 特徴的なのは、ローレンツ変換(空間と時間の変換)では、電気と磁気の位相はπ/2までしか変換されないけれど、複素数空間では、どのような角度(例えばπ)でも変換されうるのであり、弧電磁気論[14]p12で紹介した、ある科学者の言葉の意味は、このことであったと筆者は理解する。

『一定の物体に含まれていると思われるエネルギーの量は、一定の観測者にとって質量エネルギー軸を中心にそれがどれくらい回転したかにかかっている。』

『物質は、エネルギーに転換するし、その逆にもなるというが、本当は物質もエネルギーも一つの実体の異なる面にすぎない。』[20]


5.高次の複素数空間における「電気磁気の実体」

 仮説の詳細を検討する前に、我々が存在する3次元物理空間にある電気磁気図1と図2、あるいは(図3単極と電場)と(図4:双極と磁場)と「高次の複素空間に存在する電気磁気の実体」との関係を整理してイメージを明確にしておく。

電気と磁気の実体モデル1

 電気磁気の実体を模型にしたものが図9である。我々が観測できるのは、縦の面に投影された電気単極(イ)と底面に投影された磁気双極(ア’’-イ’’)である。それぞれの面が我々の空間と考える。我々にとって空間は1つであるから、縦面と底面の区別はない。逆に我々の面(空間)に電気磁気の実体(ア-イ)が、あるときは縦に電気単極(ア)として接し、ある時は横に磁気双極(ア’’-イ’’)として投影することにより現れる。

つまり我々の面(3次元物理空間)に対して、電気磁気の実体がπ/2回転して接している、または投影していると考える。我々が観測しているのは、その写像であるといえる。図3・図4あるいは図5と比較されたい。

 (図10)の左図のように磁気双極は、電気磁気の実体(ア-イ)がもつ双極の投影であり、周囲に磁場とポテンシャルを作る。電気単極は、右図のように電気磁気の実体の一方の極(イ)が我々の空間に垂直に接しており、周囲に電場とポテンシャルを作る。

電気と磁気の実体モデル2

電気単極(イ)は電気磁気の実体の一端である。では電気磁気の実体のもう一方(ア)について、どのように考えればよいのだろう。このモデルにおいて(ア)はやはり単極であろうと考える。

図9の単極・双極のイメージを図3と図4の単極・双極のイメージを用いて表す。つまり、2つの単極を実線で結ぶことで、2つの単極の間にある実線が双極となるモデルである。

高次の複素空間にある「電気磁気の実体」を「2つの単極と間を結ぶ双極」として表すことにする。そして、議論の中で実体が示す方向を知る必要があるときは、2つの単極の間の双極に矢印を付けてベクトルで示すことにする。(図11) (注:本考察では、ベクトルの長さは磁場や双極の強さを表わさない。示す方向にのみ意味がある。)

電気磁気のモデル

物質である単極が、速度vや加速度a、躍度j(加速度の時間変化率:後述する)を持つときに、単極や双極、あるいは電場や磁場がE軸とM軸の間でどのように、変化するか。また、E軸上の実体が変化(接する角度を変えて)して、M軸上へ現れることにどのような意味があるかを検討する。

そのために、モデル図3と図4で構成される図11のモデルを用いる。

単極・双極の関係やこれらが作る電気磁気の実体を定義し、E軸上の実体と接する、あるいは投影された写像である我々の空間(M軸)との間に、どのような関係(位相)を持つかを検討する。その後、「第3起電力」及びジャンプ・コイルテストにおける、「磁極へ電流が湧き出す」といわれる現象について検討する。

これまでの議論を踏まえて、4次元複素数空間モデルにおける仮説を、2次元平面として表す。(図12)

E軸上の実体とM軸への投影

 仮説のモデルを図12で説明する。3次元物理空間を横軸にとり、これをM軸(質量軸)とし、縦軸に複素次元軸を取り、これをE軸(エネルギー軸)とする。そして、原点をとする。

E軸上のE2の位置に、我々には直接見ることが出来ない「電気磁気の実体」である単極アと単極イがあり、単極アと単極イは、双極(ア-イ)により連結されている。

 次に、破線の矢印に示すように、単極イは、M軸上のFの位置へ来て写像である単極Fを作り、単極イと単極Fは「対」を形成する。(右側の図) この場合、単極Fはマイナスの電荷を持つ電子である。単極Fは(イ)に相当する性質である電荷を持ち、スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルが重畳している。単極F(電子)の実体(ア)と双極(ア-イ)は、M軸上の観測者から見て運動していない場合には、どの方向にあるかは分からない。(観測するという行為によってはじめて方向が決定することを意味する。) 双極(ア’’-イ’’)は、原点の位置に中性子が存在する場合を想定している。(本考察では省略する。)

図12の状態のときに、以下の仮説を設ける。

①E軸上のE2の位置に、電気磁気の実体「単極ア及び単極イ」が存在する。

②E2は、閾値であり、M軸とE2の間は、固定されている。

③異種の極性を持つ単極アと単極イの間に斥力が存在する。

④E軸上の実体は、(積分)を伴う投影によりM軸上に単極Fとして現れる。また、写像の投影には、(積分)を伴う。(投影角はπ/2:「イ-F」は、M軸に直交する。)

⑤M軸上の単極Fの運動により「左方向に回転」してE軸上へ(積分)を伴い投影される。

⑥単極Fの質量は、単極イに由来する。単極イの性質が仮説④の(積分)投影されることで単極Fが質量を持つ。

⑦投影④と左回転⑤は、重畳する。

⑧投影④と左回転⑤の投影機構には、仮説⑥の質量を原因とする遅延が存在する。

注:E軸からM軸へ、そして、M軸からE軸へ仮定する(積分)とは、奇妙な言葉であるけれど、これまでに存在しない概念であることから、これを表す最も適切な言葉として用いた。

 仮説により、図12は、次のような特徴を持つ。

1.E2上に存在する電気磁気の実体は、π/2の回転(位相差)をもって、M軸上に電気・磁気として現れる。(π/2の回転で電気と磁気は交換する。) 

2.実体は、投影に際し積分の作用を伴ってM軸上に単極Fとして現れる。単極Fは、実体である単極(イ)が持つ性質が積分を伴うことで、電荷とスカラーポテンシャル・ベクトルポテンシャルを持つ。 単極F・電荷・スカラーポテンシャル・ベクトルポテンシャルは、M軸に垂直である。M軸上に垂直に現れたとき、実体である単極(イ)が持つ性質が現れる。 単極Fは、M軸上において古典的な意味で静止できない。

3.M軸で単極Fが運動するとき、単極Fの位置の時間微分の階数により、E軸上に(イ-F)の写像を作る。その際、写像は、積分を伴ってπ/2ずつ左方向に回転され投影される。

4.E軸とM軸の間には、『エネルギーの落差が存在する訳ではない。E軸とM軸の間には、(M軸からE軸へ向かって左回転の積分投影と、E軸からM軸へ向かっての積分投影という機構)が存在する。』と考える。

5.単極アは、単極イとの斥力のため、無限遠にある。従って、2つの単極の間にある双極(ア-イ)は、無限長ソレノイドである。

6.E軸上の実体である単極イの持つ性質が「積分投影」されることによって、単極Fが質量を持つ。

7.E軸とM軸の間の「仮説⑤:左回転・積分と、仮説④:積分」の投影機構には、単極イに起因する遅延が生じ、これが時間となる。(仮説⑧)

M軸内での位置の変化を時間で1回、微分したものが速度である。 単極Fが速度を持つ場合において、仮説⑤と仮説④を各1回適用するので、例えば、1回の{「M軸からE軸への左回転(積分投影)」と、「E軸からM軸への(積分投影)」}の結果、「単極Fがもとの位置から変化する」。 つまり、「位置の変化を時間で微分したものが速度」は、この機構の働きによる結果ということになる。そして、1回の適用に生じる時間の原因は、単極イが持つ性質が、M軸に投影されることによって生じる単極Fの質量である。

1回の適用や複数回の適用は、仮説⑦重畳しており、投影の遅延により、現れては消える、いわゆる過渡現象となる。

 相対性理論は、「空間と時間の交換」によって電気磁気現象を説明したけれど、仮説である高次の複素空間において、電気磁気現象は、E軸とM軸の投影機構が持つ性質として説明され、時間は、機構に組み込まれていて、時間軸は存在しない。

8.(イ-F)の対がM軸となす角度θが0<θ<π/2のときに、実体(イ)が、M軸へ投影された結果としての物質(例えば単極F)は、M軸上でエネルギーを持つのと同義である。(物質の他の基本となる単極「陽子・中性子」についての考察は、省略する。)

仮に、「単極イと写像である単極Fの対」において、単極イが他の実体との相互作用の結果、「対」がM軸に対して傾斜したとする。 仮説②により、M軸とE2の間は、閾値として固定されているため、傾斜した対「イ-F」の長さは、作用前の長さ「イ-F」より長くなる。長さの増加分は線分「E2-E3」である。これは定義の上では、「対」のエネルギーが増加したことを意味する。(図13) 図で、実体である単極アは、省略した。

投影角とM軸上のエネルギー

 「対」の長さが増した分は、積分を伴う投影により、M軸上の単極Fに現れる。これはM軸内にある単極Fに反映される。この投影が、我々の測定しうるエネルギーに相当する。

 このように、M軸上のベクトルは、単極Fの運動を示す場合と、図4右で示した磁場のループの方向を示す場合がある。

 エネルギーとは、物体が物理的な仕事をすることができる能力[23]であり、種類は以下の通りである。

 力学的エネルギー 化学エネルギー 3原子核エネルギー 熱エネルギー 光エネルギー 電気エネルギー 7静止エネルギー 音エネルギー 9ダークエネルギー

 これら、9ダークエネルギーを除く、エネルギーとされているものが、図13に示す単極Fから出ているベクトルに相当する。

但し、「単極F自由電子」のみによる考察で適用できるエネルギーの種類は、1・2・4・5・6・8であると考えられる。7静止エネルギーは、単極の質量である。また、弧電磁気論[14]p23では、9ダークエネルギーもしくは暗黒物質が単極Aと考えられることを述べた。

9.図12での仮説③「異種の極性を持つ単極アと単極イの間にある斥力」についての説明。

 単極Fは、この場合はマイナスの電荷をもつ自由電子であるから、古典的半径は約2.8×10^-15mである。 単極Fが存在するM軸は、実体が存在するE2軸と平行であり、かつ、単極アと単極イは、異なる極性を持ち、仮説により斥力が働く。このことから、図では、線分(ア-イ)は有限であるけれど、単極アは、遠方に存在することを示している。具体的には、宇宙の大規模構造を形成する超空洞の領域になり、数億光年(1光年は約9.45×10^15m)の距離になると考えられ、「単極アと単極イの距離」と自由電子:単極Fの半径との比は10の38乗のオーダーになる。 そして、双極(ア-イ)は、単極F(電荷を持つ自由電子)の位置のE2上から無限長ともいえる双極(ソレノイド)が重畳していると考える。[資料14のp27~30を参照]

 電子の半径に比して、およそ無限長とでも言えるソレノイドは何を意味しているのだろうか。無限長のソレノイドの外側に磁場は存在しない。[22]

つまり、双極(ア-イ)の中央部分に磁場は存在しないことになるし、そもそも双極(ア-イ)は、E2上に存在するから測定できないことになる。そして、単極アと単極イの部分に磁極が単独で存在することになる。つまり、単極イは、磁気の単極ということになる。ただし、単極イは、E2軸上に存在し、M軸上の単極Fに重畳していて、単極Fの実体の一部であることになる。

 図12左において、単極Fの形成する磁気双極ア’’-イ’’が単極Fの中心に位置せず、原点と単極Fの間に描いたのは、このモデルにおいては、原点に単極E(電荷を持たない中性子)が位置するはずであるけれど、これを省略したからである。(本考察では、単極Fが「単極E:中性子」や「単極D:陽子」とペアで水素原子やヘリウム原子を構成することの議論については、省略する。)

10.仮説④E軸上の実体が(積分)を伴う投影によりM軸上に電気単極Fとして現れることの説明。

図12で、電気磁気の実体である(ア-イ)について、積分を伴う投影によって、E2上にある単極イは、M軸上に単極Fとして現れる。

 E軸上のE2とM軸との間には、いわゆるエネルギーの高低差があるのではなくて、単極イが持つ何らかの成分(現在では性質や極性・強さが不明であるけれど)が投影の際に「積分」されることで単極Fの位置に「ポテンシャル」が生じていると考える。つまり、E2上の単極イがM軸に投影される際に、相当する成分の状態が固定されており、これが単極Fのポテンシャルの原因であると考える。 つまり3次元物理空間の性質を4つめの次元軸である複素空間の性質が起源となって生じていると解釈する。

ここで、単極Fの基本的な性質として、M軸上で「静止」することができない。つまり、単極Fは、自転により磁気モーメントを持つことの理由は、高次の複素空間にある電気磁気の実体が持つ斥力(に相当する何らかの成分)という緊張状態がM軸へ積分投影されることにより、M軸上の単極Fが電磁気的な緊張状態を持つということである。これがポテンシャルとして現れているということである。このとき、単極Fの持つ性質(電荷・ポテンシャル)は、M軸に直交している

また、原子に拘束されない単極F(自由電子)が、宇宙の大規模構造から斥力を受けていることは、資料14のp28に説明した。ただし、実体の一方の極である単極アの存在する方向は、観測者が何らかの操作によって、測定するまで決まらない

11.仮説⑦「仮説④と仮説⑤」が重畳することの説明。

図12で、M軸上で単極Fが運動する(E軸上の実体の相互作用の結果ではあるけれど)ことで、実体を含む(イ-F)の対は、左方向に回転し、積分の上でE軸上に現れる。これは、実体(ア-イ)とは異なるものとする。つまり、仮説④と仮説⑤から、単極Fの運動によりM軸に現れる現象は、複数の電気磁気の現象として重畳することを仮説⑦に明記した。

言い換えると、我々が物体どうしを作用させようとするとき、「M軸→E軸→M軸」という「左回転の積分投影」と「積分投影」の連鎖が重畳すると考える。複雑なのは、相互作用の原因は、E軸の実体にあり、結果がM軸に現れるけれど、物体を作用させる主体は、M軸上の存在であることである。

 ところで、量子論の確立に貢献したニールス・ボーアは、原子模型について、3つの仮定を設けた。 資料[21]より引用。

定常状態にある電子にはニュートン力学の運動方程式が適用できる。

プランクの定数を組み込んだ量子条件により、電子は、ある種の離散的な値に対応する状態しかとれない。

定常状態にある電子は、加速度運動をしても電磁輻射をしない。

 これに対して、資料[21]に、次のような疑問が書かれている。

疑問A:ではニュートン力学を肯定しておきながら、何故、では否定されるのか。

疑問B:においては、マクスウェルの電磁方程式に関する現象が否定されている、原子の外では成立することが、何故、原子の内部で成立しないのか。

引用終わり

 確かに、「科学者は電子が粒子で、波動性の二重性をもつものと定義をせざるを得ない状態にある。」[20]わけで、科学者たちは粒子の波動性をもって、を説明したけれど、何故、電磁輻射しないのか、ポテンシャルの原因は何なのか、本当のところ、よく分からない。この点を明確にできないものだろうか。

ニールス・ボーアなど当時の科学者たちは、仮定の中で、「原子の外でマクスウェルの電磁方程式が成立するが、内部では成立しない」という困難を、電子が波動であるということで理解し、納得した。

 一方、本考察においては、設定する仮説は多いし、荷電粒子の持つ基本的な性質を、不可視である2つの単極と、その間の斥力により形成される双極(無限長ソレノイド)という、宇宙規模の構造に帰するとするという、納得しがたいものであるけれど、古典的に言う、「いかなる物質も静止し得ない」という理解しがたい性質と、井出治氏の実験に見られるように、空間から電磁気エネルギーが湧出することの両方を理解することが可能となるには、あえて19世紀へ立ち返った上で、例え常識的ではなくても、このような仮説を検討する必要があると考える。

 我々は、ある科学者が指摘したように「エネルギー」について、正しく理解していないのではないだろうか。[20]


6.「左回転、積分投影」と「積分投影」のモデル

 図12は本来、水素原子やヘリウム原子等を対象としたモデルであるけれど、ここからは、自由電子を想定した図14を用いて、考察を進める。

E2上に存在する単極アは、単極イの位置から無限遠ともいえる距離にある宇宙の大規模構造を形成する超空洞に位置し、単極アから単極イへの斥力は無視できるほど小さい。ただし、単極アの存在する方向は、観測により決定するまで不定である。単極Fは、自転による磁場を持つとともに周囲にスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルを持つ。(図示していない。)その際に、単極Fの電荷・スカラーポテンシャル・ベクトルポテンシャルは、M軸に直交している。

自由電子のモデル

次に仮説から導かれる単極F(自由電子)が観測者から見て運動する場合について検討する。(図15)

 ある観測者から見て速度vを持つ単極Fがあり、速度vの方向を(-x方向)とする。前記仮説⑤によれば、単極Fの運動で、進行方向に向かって左方向に回転(積分)の上でE軸に投影される。これにより、実体である単極アの方向が決定するとともに、双極(ア-イ)の方向が決まる。(太い矢印) 次にE軸上の実体は、仮説④により、M軸へ積分投影されることで、太い破線矢印を生じる。この矢印は、3次元物理空間上にある単極Fの周囲に磁場が存在していることを示している。

 これは図1右(アンペールの法則)に示した電場磁場の図と同じものである。ただし、自由電子である単極Fの運動方向と電流の方向は逆であることに注意。

単極Fの運動による左回転と投影のモデル


 7.単極F(自由電子)の運動により生じる磁気の方向

 3次元物理空間の運動する物体が描く軌跡がある。図16に示すように、自由電子である単極FがX-Z面内において、それぞれ、速度v(-x)、加速度a(-z)、躍度j(+x)の方向を持つときに、仮説である「高次の複素空間上にある電気磁気の実体」が「左方向の回転積分」と「積分投影」を経て、M軸上にどの方向に磁場を生じるかを検討する。

物体の運動とベクトル

 この物体がある位置において、持つ速度vは(-x)方向であるとして、加速度aは(-z)方向になり、躍度jは(+x)方向になる。速度・加速度及び躍度は互いに直交している。

 単極Fが(-x)方向に速度vを持つ場合は、図15にて検討済みであり、これは、いわゆるアンペールの法則を示したものであった。図15での操作は、M軸上での運動(速度v)によりE軸上の実体(ア-イ)の方向が決まり、続いて、再度E軸上の実体がM軸へ積分投影されることによって、3次元物理空間上に磁場の現象として現れたという説明であった。 つまり、『M軸→E軸への左回転(積分)、そして、E軸→M軸への(積分)』を1回行ったことになる。

 従って、加速度aの場合は、『M軸→E軸への左回転(積分)、そして、E軸→M軸への(積分)』を2回行う。 そして、躍度jの場合は、『M軸→E軸への左回転(積分)、そして、E軸→M軸への(積分)』を3回行うことになる。

ただし、注意すべき点として、E軸上の実体である単極アと単極イの対はM軸に常に垂直に接している(E軸はM軸に直交している)のだから、1回の変換の後にも、M軸から見て実体は垂直に接しているとして左回転積分と積分を続ける必要がある。つまり、M軸上での単極Fの微分の回数(速度vは1回、加速度aは2回、躍度jは3回)だけ、M軸からE2へ積分を伴って回転され、また、E2からM軸へ積分が行われる。そして、これらが重なることで、過渡現象となる。

 図15の単極Fが速度・加速度・躍度を持つときに生じる磁場の方向をまとめたものが図17である。

単極Fの運動と実体の回転投影の磁気モデル

 速度vを持つ場合は既に説明したけれど、M軸へ投影された磁場に相当する矢印は、図が煩雑になるため省略し、E軸上の実体(ア-イ)が示す方向のみ示した。

 1回目の変換後の方向を2回目の変換前の方向として、変換と投影を繰り返すことによって、速度・加速度・躍度を持つ単極Fの周囲に生じる磁場の方向が得られる。得られる磁場Hの方向をまとめたものを次に示す。但し、磁場を記号Hで表すが、ベクトルの長さ、Hは強さを表していない。方向にのみ意味がある。

回転投影により生じる磁気の方向

 図18は、M軸上に現れる単極(F)の(速度v・加速度a・躍度j)を直交座標にまとめたもので、実線のベクトルが初期の方向であり、太い破線は変換後に生じる磁場の方向である。ここで速度vには磁場H1が、加速度aにはH2が、躍度jにはH3が対応している。 まとめ図を図19に示す。

速度v(-X方向)には、磁場H1(-Y方向:順方向とする)が現れ、加速度a(-Z方向)ならば、磁場H2(+Y方向:逆方向)に、躍度j(+X方向)ならば、磁場H3(-Y方向:順方向)に磁場が現れることを意味している。

回転投影により生じる磁気の描像


8.単極F(自由電子)の運動により生じる単極・双極の区分と方向

次に、単極FがM軸内で運動(速度v・加速度a・躍度j)する場合に、E軸とM軸との間で、M軸からE軸への左回転積分と、E軸からM軸への積分がなされることで、M軸上に現れる「単極と双極の区分と、それらが示す方向」について検討する。(図20)と(図21)

M軸・E軸間での回転と投影



 図20(1)・・・・図14の自由電子モデルにおいて、高次にある電気磁気の実体である単極(ア)と単極(イ)の対を、単極Aと単極Cとする。(注:弧電磁気論では、陽子・中性子・電子を扱う際に、各単極をアルファベットで示す。) また、単極Aは、無限遠に存在するため、単極Aを省略して、実体である単極Cと積分投影された写像とでもいえる単極を、単極F(自由電子)とする。 このとき、(A-C)と(C-F)は、直交している。

 「M軸からE2へ向けての左回転積分」と「E2からM軸へ向けての積分」により、実体の向きがどう変わるかを知るために、仮に単極Fから単極Cに向いた矢印を置く。この矢印がM軸上に投影される際に、どの方向か、あるいは単極・双極として、現れるかを検討する。

図20(2)・・・・E2上の単極Cと積分投影された単極Fの対は、(E2上の実体どうしが相互作用した結果)単極Fが速度vを持つことで、左方向の回転積分を受けて、(C1-F1)となる。次いで、これがM軸へ向けて積分を伴って投影されることでM軸上に(C1-F1)の双極として現れる。このとき、図では省略したけれど、単極Aは、左方向の無限遠に存在し、(A-C1)の対は、(C1-F1)の対と平行となる。 

 つまり、(C1-F1)はM軸に磁場として現れることを示しており、M軸での方向は、図では判明しないけれど、図17上左図・図18と図19の磁場H1(-Y)のことを示している。自由電子である単極Fが持つ速度v(定常電流)により、生じる磁場は、単極Fの周囲に左方向の渦となることを意味する。 これは図15右:アンペールの法則のことを示している。

 図16(3)・・・・単極Fが加速度aを持つ場合には、(2)の投影後である(C1-F1)を更に左方向へ回転積分し、(C2-F2)となる。これが積分投影されることにより、M軸へは単極(C2-F2)として現れる。M軸上に現れるのは、F2を投影したF2と考えられる。 単極Fは、実体である単極Cの投影であり、単極FがE2上に存在する。つまり、単極Fは、エネルギーを持つことを意味し、かつ、M軸に直交するのだから、持っているポテンシャルもM軸に直交である。

図では省略した単極Aが作る(A-C2)と、(C2-F2)は、厳密には直交ではないけれど、単極Aは、図の左方向の無限遠に存在することから、直交と見なせる。 この場合は、2度の回転投影と投影を適用することになる。

M軸上に現れた単極が示す方向は、この図では判明しない。M軸に現れる単極の方向は、後述する。

図16(4)・・・・図(3)の(C2-F2)を、左方向に回転積分すると、(C3-F3)の対となる。これをM軸へ向けて積分すると、(C3-F3)の双極として現れる。ここで、(C3-F3)の対は、M軸上に、平行になる。この(C3-F3)がM軸に現れる方向は、図からは判明しない。

M軸に現れる双極の方向は、後述する。

図20(5)・・・・図(1)の状態から単極Fが躍度jを持つ場合、(C-F)の対は、3回の左方向の回転と6回の積分によって、M軸上に(C3-F3)として、現れる。これは、単極Fを中心に右方向へ1回の回転操作に等しい。 図20では、△印を示した位置がM軸上の同じ位置を示している。

 なお、(C3-F3)が、3回の回転の操作後に(C3-F3)としてM軸に現れるまでに、積分は6回行われることに注意。

 図20での検討の結果として、M軸上に現れる単極・双極の区分は判明したけれど、M軸上で、それぞれが示す方向は判明しなかった。そこで図17・図19と図20を対比させた図21を示す。

単極Fの回転投影により生じる単極・双極の区分とM軸での方向

 図21(1)・・・・単極Fが初期の方向(-X)の速度vを持った場合を示す。図17の左上図の変換の後、投影によって、M軸上に双極(C1-F1)が生じることを示す。 1回の左回転と2回の積分が行われることで、生じた双極は、単極FのM軸上の方向(-X)に対して、左方向の渦(磁場)を示している。つまり、磁場H1と(C1-F1)は同一である。

 図21(2)・・・・単極Fが初期の方向(-Z)の加速度aを持った場合を示す。図17の右上の図のように、M軸上で生じる磁気は、2回の変換をしたが、E軸上での(単極・双極の区分)は1回の変換の後、投影されることで、M軸上に(+X)方向に単極(C2-F2)となる。{注:図17右上の1回目の図と図20(3)は同一である。} つまり、2度の左回転と4度の積分を行うことになる。単極F2は、E2上にあり、投影された(+X)方向の単極F2がエネルギーを持っていることを示している。このとき、実体である単極C2がM軸上に現れている事になる。 これは理解しがたいことであるけれど、単極C2の方向は(+X)であり、磁気の方向(Y軸)と直交しているので、効果は出ないのではないだろうか。 しかし、物質としての性質を持つのは、投影である単極F2であり、エネルギーを持って(+X)方向に運動していることを示していることになる。磁場H2は、磁場H1の逆方向に生じるとともに、(F2)は単極として、速度vと逆方向の運動として重なることを示している。これは自己誘導を示している。(逆起電力)

 図21(3)・・・・単極Fが躍度jを持つ場合に、磁場H3は、図17の下のように変換される。(2)の変換後の(C2-F2)を更に左方向へ回転し、(C3-F3)となる。(図20(4)に示すとおり。)これが投影されることによりM軸へは、(+Y)方向へ(C3-F3)として現れることとなる。{注:図17下の1回目の図と図20(4)は同一である。}この場合は、3度の回転変換と6回の積分を適用することになる。

 図18において、単極Fが持つ躍度jの初期の方向が(+X)であるとき、変換後の磁場の方向はH3(-Y)であるとともに、図20(4)に示すように双極として現れる。単極Fが持つ躍度jにより生じるH3は、速度vにより生じるH1と同方向の磁気を強める方向であるから、単極Fが持つ速度v(定常電流)を強める働きを持つものと考えられる。更に、M軸には双極(C3-F3)として現れる。但し、H3の方向は、(-Y)だが、(C3-F3)のM軸で示す方向は、(+Y)となる。

 この(C3-F3)は、本来の位置である(C-F)とはπ/2右方向へ回転して、M軸に平行である。(左方向に3回で右へ1回と同じになる。)M軸上では双極であるけれど、双極としては、機能していないのではないだろうか。仮説では「実体である単極Cと投影である単極Fの対」はM軸に直交している。すなわち単極Fの持つ電荷・スカラーポテンシャル・ベクトルポテンシャルや自転による磁気モーメントは、M軸に垂直であったことで生じたのではないだろうか。これらが3回の回転変換の後で、M軸に平行になったのである。平行のベクトルポテンシャルが何を意味するのだろうか。実体である磁気の単極CがM軸に平行に出現することの意味は何であろうか。

最初、単極Fは、M軸に垂直であるから自由電子であるわけで、M軸に平行な単極Fは消え(存在するが、観測できなくなるのか。)、M軸上に単極Cが、磁気の方向(H3の逆方向:+Y方向)に現れていることになる。これが何らかのエネルギーを持つことになるのだろうか。


9.単極F(自由電子)の運動により生じる力の強さ

 図21に示した方向に電気や磁気などが生じるとしても、これらの現象はどれくらいの強さで現れるのだろうか。強さの検討をするには、単極Fが躍度を持つことで、仮説④と仮説⑤にある「左回転積分」の回数と「積分」の回数の関係を、まとめる必要がある。

M軸とE軸間における積分の回数

 高次の実体(A-C)は、M軸に物質である単極Fを投影する際に、積分①を受ける。最初の積分により単極Fが、M軸内で持つ性質が決まる。その後、M軸内で単極Fが躍度jを持つことで、3回の左方向回転を受けるけれど、1回の左回転変換の間に、2回の積分投影が行われるので、都合、躍度jにより、(C-F)の対は、6回の積分を受けることになる。(図22)

 左回転と投影の際に、受ける積分の回数に留意しながら、現れる強さについての検討の結果を次表にまとめた。

 横軸は上から、時間での微分の階数。M軸上でのベクトルの種類、図17で示したM軸ベクトルの初期の方向、E軸上へ向けての実体の微分の回数(M軸上での微分階数)、回転変換後の投影された磁場の方向、M軸での力Fである。*1と*2は推測である。(┐記号で下を見る。)

時間微分階数

M軸ベクトル

速度v

加速度a

躍度j

初期の方向

-X

-Z

+X

E軸での変換回数

1┐

2┐

3┐

M軸投影の
磁場の方向

-Y

+Y

-Y

M軸での力F(時間微分階数)

F=1/2mv^2

F-1/5!ma^5

※1

F=1/7!mj^7

※2

M軸上にある電気単極F(自由電子)の位置の時間の1階微分である速度vの初期の方向は-Xである。4行目に示すとおり、速度vのE軸での1回の回転変換を経て(┐記号のとおり下段を見る)M軸に投影される磁場の向きは-Y方向となる。その際に単極Fに働く力FはF=1/2(F=1/2mv^2)である。(mは単極Fの質量)この式は、電気単極F(自由電子)の質量mに速度vの二乗を掛けたものであるから、速度vを積分したものである。力と速度が微分・積分の関係にあるから、数学の微分・積分の関係がそのままM軸とE軸の間での「回転積分と積分」に置き換わったと考えられる。すると躍度jをE軸上での回転変換を経てM軸に投影する場合においては、高次の実体は、7乗の積分(力F)として現れることが予想される。(力Fの及ぶ範囲は距離の7乗に逆比例することになろう。)この関係を示したものが※1と※2である。

 物質は、速度を持ちその力は距離の二乗に逆比例する。一方、電気磁気現象において、時に放電現象に見られる非常に強力な現象は、*1や*2に原因があるのではないか。高次にある電気磁気の実体は同極、あるいは異なる極により相互作用を行うと考えられるが、そのまま投影されて力Fになるのではなくて、「積分を伴う方向の回転投影」と「積分投影」を経てM軸に現れているのではなかろうか。

上記の左回転・積分・投影と積分・投影により、力Fとなるのであれば、荷電粒子の集合体である物質もこの仮説モデルによる速度・加速度により力が与えられていると考えられる。


10.エネルギー湧出の機構

 さて、これらの現象にかかる「左回転・積分・投影」と「積分・投影」の仕組みの上で、本当のエネルギー源は何なのかが、これまでの解析では不明である。単極Fが持つ躍度jが結果的に超効率という、特異な現象を示す本当のエネルギー源はどこからくるのだろうか。

 図20の(1)(2)(3)(4)をまとめ、かつ、前記の表(力の強さ)を参考に、図21(3)の双極(C3-F3)がM軸上で示す性質を考察した。(図23)

フリーエネルギーの発生機構


(1)M軸上に単極Fがあり、E2上に実体、単極AとCがある。A-C間に双極A-C(無限長ソレノイド)がある。基本の形として(A-C)と(C-F)は直交している。単極Aは斥力により、無限遠に存在して、単極Cと単極Fの対は、安定している。

(2)単極Fが速度vを持つとき、(A-C1)と(C1-F1)は、平行であるために、(C1-F1)の対は、M軸に直交する状態に戻ろうとする。

(3)単極Fが加速度aを持つとき、(A-C2)と(C2-F2)は、厳密には直交にはないけれど、単極Aが無限遠にあることから、基本形と同じと考えてよい。このとき、(C2-F2)は、M軸に直交しているけれど、基本形から転倒した形になっているので、(C2-F2)は、向きを逆転しようとする。

(4)単極Fが躍度jを持つと、図17下図、及び図20の(4)に示した、左方向に3回の回転・積分・投影と積分・投影がなされて、M軸上に(C3-F3)が現れようとする。 3回の左方向の回転と投影で、(C-F)は、時計方向にπ/2回転するのに等しい。 (C3-F3)は、「単極Cと単極Fの対の長さ」を半径として、M軸に「平行」に現れようとする。

一方で、実体である(A-C)は、基本の位置が(A-C)⊥(C-F)である。3回の変換と投影を経て、(C3-F3)は、M軸に半径rの“円弧”を描いてM軸に接しようとする。しかし、M軸とE軸の間には仮説④があり、単極Fは躍度を持ち、前記の表からわかる通り、磁気の性質を持つ実体である単極Cは、都合、6回の積分を経なければM軸に接することができない。E2上の単極CとM軸上の単極Fの間は半径「r」ならば、半径「7r」が描く弧とM軸が交叉する位置に「C’’」が現れることになる。そして、(C3)は、実体の一端である「C’’」の方向に移動しようとする。

繰り返すと、(C-C’’)の描く“円弧”は「単極Fと単極Cの対」の長さを「1」とすると、半径「7」となる。つまり、単極Cの位置からE軸沿いに「7」下がった所を中心に半径7で単極Cを通る円弧を描いてM軸に接する点が「C’’」となる。

M軸上に現れた双極(A-C)の一端「C’’」は、本来のE2上の「C」の位置にもどろうとして、(C3-F3)の一端である「C3」は、「C’’」より引き延ばす作用(引力)を受けることになる。従って、(C3-F3)の一端である「F3」も引力を受けることになる。このとき、磁気の単極の性質を持つ「C3」と、「F3」の持つ電荷・スカラーポテンシャル・ベクトルポテンシャルは、M軸に平行となっている。


11.電気磁気の発生の方向と強さ

 図21の単極及び双極の区分と、M軸上での電気磁気の方向と力の強さをまとめると次表の通りとなる。

単極Fの

状態と方向

投影されたM軸での磁場の方向

回転変換によるM軸に現れる

単極・双極の区分と方向

(1)静止状態(不定)

自転による磁場

単極(電荷)

スピン磁気モーメント

(2)速度 v(-X)

H1(-Y)

双極(-Y)

アンペールの法則

(3)加速度a(-Z)

H2(+Y)

単極(+X)

自己誘導(逆起電力)

(4)躍度 j(+X)

H3(-Y)

双極(+Y)

但し、M軸に平行

距離の7乗に逆比例

 この表で特徴的なのは、コイルにパルス波を印可したときに、出る磁場H3は、H1と同方向であり、電流を加速する方向であり、第3起電力の補助的な説明になるけれど、コイルのコア内部には、別の流れが存在しているかも知れないことである。むしろ、コア内部の流れを直接利用する方が理にかなっているのではないだろうか。

自由電子(単極F)の3次元物理空間での運動についていえば、高次の複素数空間にある電気磁気の実体が投影面であるM軸にある単極Fとの間で左回転積分投影と積分投影を繰り返すことにより、M軸へは、複数の磁気や電気が重ねて生じ、これらが互いに強めあったり、弱めあったりしていることになる。

 加速度aにおいては、速度vによる磁気を弱める方向に生じるとともに、単極Fの速度v(電流)を弱める方向に単極の運動が重ねて生じている。

 単極Fが躍度jを持つときには、H1の磁場を強める方向に磁場H3が生じるとともに、H1(-Y)と逆方向である(+Y)方向に重ねて(C3-F3)が生じる結果となっていることである。

 この考察での結果をまとめた。

コイル電池とスイッチを直列に接続した回路を例に、回路に生じる電気と磁気を図示した。(図24)

コイル上に生じる現象

 図24(1)・・・・コイルに電池とスイッチを直列に接続し、スイッチを開閉する。導体中を単極F(自由電子)が電池のマイナス極より出てコイル内を移動する。

 図24(2)・・・・コイル内の1つのループにおいて、単極Fが持つ速度vによって磁場H1が生じる。これは、双極(C1-F1)である。

 図24(3)・・・・単極Fが持つ加速度aによって磁場H2がH1を弱める方向に生じるとともに、エネルギーを持つ単極F2が、単極Fの速度vの逆方向に重なる。これが自己誘導である。

 図24(4)・・・・単極Fが持つ躍度jによって磁場H1と同じ方向に磁場H3が生じ、かつ(C3-F3)が生じる。 このとき(C3-F3)は、M軸上にあり、M軸に平行である。そして、図23(4)で分かるように、「C3」は、基本形の位置する「C」の位置へ戻ろうとする一端「C’’」から無限遠に向かって引力を受ける。そして、「C3」の対である「F3」も同じ引力を受ける。しかも、この引力は、「距離の7乗に逆比例する力」であるようだ。

一般に、電流は、複雑な回路上を流れる。例えば、コイルにおいて単極Fは、ループ状の導体に沿って運動するから、スイッチの開閉時に図24の(1)(2)(3)の現象が、次々と起きることによって、電気磁気回路の過渡現象となっているのではないかと考えられる。

結果的に、スタティックジェネレーターによる「冷たい電流」や「プラスでもマイナスでもない電流」が、コイルの鉄心から電流が湧き出すように現れるのは、E2上の実体である(A-C)の一端である「C’’」から引力を受ける単極C3と「対」となる単極F3なのではないだろうか。この単極Cは、弧電磁気論においては「磁気単極」であると結論付けたものである。([14]p19図9) この実体(A-C)の一端である「C’’」が、単極Fに加えられた躍度jを原因として、M軸上に現れ、元の位置に復元しようとする際の引力が、コイルの鉄心に生じるエネルギー源であると考えられる。

もし、磁気の単極C3がジャンプ・コイルテストで現れているならば、コイルの磁極の片方に集まってしまうかもしれない。単極F3がコイルの磁極に現れているなら「磁極に触れて感電する」かも知れないけれど、スタティック・ジェネレーターに現れているだろう(C3-F3)は、M軸に平行であるが故に、「感電しない、プラスでもマイナスでもない、冷たい電流」であったのではないだろうか。一方で、このような「冷たい電流」が、白熱灯を灯せるのは、理解しがたいことである。

スタティックジェネレーターによるデモの様子

写真 スタティック・ジェネレーターからの

「冷たい電気」で水に漬けた白熱灯を点灯している[11]

初期の条件である、単極Fが持つ躍度jと、結果的に生じる「引力」の間には、直接の関係はないと思われる。通常、物理現象としての作用には、必ず反作用を伴うけれど、この単極Fが持つ躍度jによって、引き起こされる「引力」には、「作用と反作用」が成立していない。これが、超効率の原因であると考えられる。ある科学者が、内部にエネルギー発生装置を積まなくてよい帆船を例えに述べたのは、このことであった。[20]

存在するのは、E2上の実体である単極Aと単極C、間に存在する双極(A-C)、並びに「積分を伴って投影された」単極Fであり、E2とM軸の間には、『左方向の回転・積分・投影』と、『積分・投影』の機構が存在するだけである。

筆者は、この機構に、M軸上での運動の相対性を包含していると考えている。本考察では、うまく表現できていないけれど、M軸上の物体の運動は、E軸上の実体どうしの作用の結果にすぎないからである。つまり、E2上の実体が他の実体と作用した結果、M軸上の物体どうしの相対性が成立するならば、実体が作用しないときにも、積分を伴う投影時に、物体(F)は静止できないと考えるのである。


 12.あとがき

導入部分で、『はたして、「複素数空間上に物理現象の実体が存在する」と考えることについて、これを本当に“物理現象”と言えるのか疑問である。』と述べた。結論的には、複素空間上の実体が、3次元物理空間に現れうる事を示した。

 井出治氏が開発した「超効率インバーター(デゴイチ)」のエネルギー源は、順方向に生じる起電力ではあろうけれど、むしろ、驚くべきは、スタティックジェネレーターやコイル・ジャンプテストに用いたコイルのコア部分(磁気の方向)には、(原子の大きさレベルの距離においては、)非常に強い(7乗に相当する)電気のような流れが生じているのではないかという結論である。 「超効率インバーター(デゴイチ)」内部にも、コアの方向に同様の流れが生じているのではないだろうか。 この流れを用いることができれば、より大きなエネルギーを取り出しうると思われる。つまり、「超効率インバーター(デゴイチ)」内部の第3起電力は、M軸上に現れた実体、(C3-F3)を間接的に用いているのであり、直接的には、コアの方向に現れていると思われる単極C3もしくは、単極F3を用いた方がより、大きなエネルギーを取り出しうるというのは、合理的な考えであると思える。

 磁気回路の方向に現れるだろう単極C3または単極F3を検出する方法、つまり、具体的に白熱灯を点灯するエネルギーとして用いるには、恐らく固体の物性論的なものであろうと感じているけれど、その検出方法は、分かっていない。現在では、EMAモーターやスタティック・ジェネレーターは、失われてしまった。[13]p154 幾枚かの写真や特許図が残されているだけである。

 井出氏は、この「超効率インバーター」を6種類、計7台試作し、これらすべてについて、同様の動作(超効率)が確認されていて、再現性に問題はないと述べている。[1]p307

冒頭、「定常状態にある電子は、加速度運動をしても電磁輻射をしない理由を明確にできないだろうか。」と述べたけれど、本考察では完全な答えになっていない。原子核を構成する陽子や中性子を含めた考察をしていないからであり、いわゆる三体問題は、別の機会になる。つまり、弧電磁気論の「電気磁気の配列」は、三体問題を扱っており、これが不完全なものであった。改めて検討を要する次第である。

 本考察において、文章が重複したり、記述や概念が曖昧であったり、論理的な繋がりが切れている部分など、複数の疑問点があることは理解しているけれど、弧電磁気論がカバーすべき分野は、余りにも広くて深いために、筆者が、論理をうまく展開することができないことをご理解いただきたい。特に、弧電磁気論全体との整合性に考慮しつつ、「単極Fが自由電子である場合についての考察」を進めなければならず、マクスウェル原方程式や図1、図2に示される電気磁気現象と「超効率」という特異な現象の根源を、4つめの次元軸に求めることは、対象とする現象が複雑で、幾何学図形を用いなければ、とても無理と思える。

 拙著、弧電磁気論の「弧」は、図23の「C-C’’」の“円弧”の「弧」からきている。弧電磁気論では、基本となる粒子「中性子・陽子・電子」の配列から、M軸へ接する「4種類の弧」ができ、中央に「まんじ図形」を持つ紡錘形を形作っている。これが重力制御の本質であることを述べたけれど、本考察における、自由電子の「弧」は4種類の弧の内の一つであり、これがエネルギー源(自由電子の描く弧)であると思われる。これがフリーエネルギーといわれる現象の本質といえるのではないだろうか。やはり、弧電磁気論で述べたとおり、エネルギー保存則に従う現象と、保存則に従わない現象は、併存すると思われる。

 なお、本考察について、クリーンエネルギー研究所に問い合わることは、ご遠慮願いたい。



参考資料

[1]永久機関の原理がすでに見つかっていた「フリーエネルギー、UFO、第3起電力で世界は激変する」:ヒカルランド

[2]【公開番号】特開2012-39074(P2012-39074A)
   【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)【発明の名称】トランス

[3]調相結合トランス
 
http://www.tlm.co.jp/web/pr/cyoso.html

[4]1864年のマクスウェル原方程式について:黒月解析研究所

http://www.treeman9621.com/ChimeraMeam2/CMT07/On1864Maxwell.html

[5]電磁波:Cobalt Cubeのサイト(pdf)

http://cobalt.cneas.tohoku.ac.jp/users/sato/EMWCh0.5.pdf

[6]EMANの物理学・電磁気学:電磁波

 http://homepage2.nifty.com/eman/electromag/wave.html

[7]電子波で見る電磁界分布

http://www.ieice.org/jpn/books/kaishikiji/200012/20001201-1.html

[8]マクスウェル方程式とローレンツゲージによるスカラー電磁波方程式:黒月解析研究所

http://www.treeman9621.com/ChimeraMeam2/CMT04/LorentzGauge.html

[9]Electro-Magnetic Association(EMA)Motor  Edward V.GRAY

http://www.sierratel.com/nutritio/Gray_Pages/Gray1.htm

[10]未知のエネルギーフィールド:多湖敬彦訳編p101(株)世論時報社

[11]Free-Energy

  Various Newspaper Articles(pdf)

http://www.free-energy.ws/pdf/various_articles.pdf

solid state photos

http://www.free-energy.ws/solid-state-photos.html

[12]出典失念

[13]パンドーラの遺産p122ビジネス社

[14]弧電磁気論

[15]コーシー・リーマンの関係式

http://hooktail.maxwell.jp/kagi/f6fb7503526e6c0efad7e5d9f61a96e2.html

[16]ラプラス方程式の導出

 http://www.k2.dion.ne.jp/~yohane/000suugaku31.htm

[17]EMANの物理学・電磁気学

 http://homepage2.nifty.com/eman/electromag/eng_moment.html

[18]ベクトルポテンシャルとは何ぞや?{その1}

 http://homepage3.nifty.com/iromono/PhysTips/whatisA.html

[19]電磁気

 http://home.catv.ne.jp/dd/pub/mag.html

[20]The White Sands Incident Daniel Fry Dot Com

 http://danielfry.com/index.php?id=1120#_Toc67987993

[21]もし2種類のスカラー電磁波が存在するとしたら:黒月解析研究所

http://www.treeman9621.com/RaN_2012/RaN168/2SEW.html

[22]ソレノイドのつくる磁界

http://okawa-denshi.jp/techdoc/1-5-1zikai2.htm

[23]エネルギー

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC

              

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                                              2012/06/18 掲載
                                                   

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